こんにちは、デザイナーの沈です!
今回のテーマは「買ってよかったもの」です。
正確には、「物を買った」というよりも、最近「お金を使ってよかった」と感じた体験について書いてみたいと思います。
最近、仕事の中で先輩方と話していると、「JRPGをしっかり最後まで遊んだことがあるか」という話題になりました。
私はこれまでゲームに触れてきたものの、一本のRPGをじっくり遊び通した経験があまりなく、そのことがエフェクト制作を考えるうえで、理解に時間がかかる一因になっていると感じていました。
そこで、RPGを実際に遊びながら、演出やエフェクト表現への理解を深めてみようと思いました。
ちょうどそのタイミングでリリースされたのが、『アークナイツ:エンドフィールド 』です。
スマートフォンでも遊べるタイトルですが、美術や演出をしっかり味わいたかったので、私はPCでプレイしています。
PVで見たエフェクト表現が印象的だったこともあり、勉強のつもりで触ってみたのですが、実際に遊んでみると想像以上に引き込まれました。
特に印象に残ったのは、キャラクターの動きや演出の細かさです。
キャラクターの強化画面や武器装備画面に切り替えると、それぞれ異なるカメラ位置が用意されており、キャラクターも場面に合わせた動きをしたあとでポーズを取ります。
ただ立っているだけではなく、キャラクターに生き生きとした印象が加わり、見ていて飽きない工夫がされていると感じました。
また、戦闘中のモーションもキャラクターの性格に合わせて作られています。
例えばラストライトは重い剣を使うキャラクターですが、強攻撃のあとに体勢を崩し、少しよろけるような動きが入ります。
武器の重さやキャラクター性が動きの中で自然に表現されており、とても印象的でした。
キャラクターの衣装デザインも、とても丁寧で細かく作り込まれていると感じました。
日常・工業・ファンタジーという、一見すると相反しそうな要素が、一つの衣装の中に自然に融合しています。
中でも、レーヴァテインの衣装は特に印象に残っています。
ロリータ風のシルエットをベースにしながら、スカートの裾はまるで意思を持っているかのように動き続け、さらに燃え続ける演出が加えられており、強いファンタジー性が感じられました。
一方で、スカートの素材には光を反射する質感が使われ、装備や武器を固定するためのベルトも組み合わさっています。
形だけでなく素材や質感まで含めて考え抜かれていることで、衣装全体に工業的な印象が加えられており、思わず「本物の服飾デザイナーが関わっているのでは?」と感じてしまうほどでした。
UIのデザインからも、プレイヤーの遊びやすさがしっかり考えられていると感じました。
コントローラー操作時に表示されるラジアルメニューでは、中央のメニューをスティックで選択できるだけでなく、左右には十字キーやABXYボタンで直接選べるサブメニューが配置されています。
選択肢を一つの画面にまとめることで、ページを切り替える操作が減り、操作のストレスが抑えられていると感じました。
その結果、UI全体もすっきりとした印象になっています。
こうしたUIの設計は、世界観である「別の惑星における集成工業システム」とも自然につながっており、効率や直感性を重視した考え方が、作品全体の雰囲気を支えているのだと思います。
このように、感性的な魅力と理性的なシステム設計が組み合わさることで、このゲームならではの雰囲気が生まれていると感じました。
美術表現に惹かれる人と、システムや仕組みに興味を持つ人、その両方を惹きつけている作品なのではないでしょうか。
今回、少しだけ課金しましたが、それはキャラクターを強くするためというよりも、「ここまで丁寧に作られた作品を応援したい」という気持ちからでした。
私は3Dデザイナーとして、制作や設計の視点でゲームを見ることが多いのですが、もし企画の方などでこの作品に興味を持った方がいれば、ぜひ感想や見方を聞いてみたいです。
次回は木村さんの更新です。お楽しみに!
